なりわい事例集

vol.2 医療法人社団敬和会(介護老人保健施設たいわ)

介護を通じて日本とベトナムの架け橋に

子育て中でも安心して働ける環境

地域に根ざした医療・介護・保育サービスの提供を通して地域に貢献しようと1989年に設立された「敬和会」。同年に誕生した「たいわ」は、リハビリなどで自立と家庭への復帰を支援する介護老人保健施設として、短期入所療養介護(医療型ショートステイ)と通所リハビリテーション(デイケア)のサービスを提供しています。
https://keiwakai.sakura.ne.jp/keiwakai/topics/
所在地:岩手県北上市北鬼柳20地割20番地

グエン ティ
ホン ニュンさん(27)

2022年4月入社/介護職/
ベトナム出身

  • #日本とベトナムの架け橋
  • #外国人介護士
  • #楽しく働ける職場
  • #自動車免許を取得

—介護の仕事を選んだ理由は何ですか。

おばあちゃんに介護が必要になり、それを手伝った経験がありました。そのとき介護の仕事の大切さを実感したのがきっかけです。

—日本で働きたいと思った理由ははなんですか?

もともと日本には興味があったので、日本で介護の経験をたくさん積んで、いつか介護の仕事を通じて日本とベトナムの架け橋になれたらと思って日本に来ました。

—日本のどんなところに興味が持っていましたか?

雪です(笑) 早番のときは朝6時30分から仕事がはじまるのですが、雪が降ったら家を早めに出て10分くらい雪で遊んでから出勤しています。寒いですけど、楽しいです(笑)

—(医)敬和会で働きたいと思った理由は何ですか?

最初は大阪を見学したのですが、ヒトが多すぎて(笑) そのあと岩手に来たら街も静かでいいなと思ったし、職場を見学したときもみなさんやさしくて雰囲気も明るかったので、ここで働いてみたいと思いました。

—仕事のやりがいは何ですか?

利用者さんやご家族の方から「ありがとう」と言ってもらえることです。それに、施設を退所された利用者さんとたまにスーパーで会うこともあるのですが、そんなときも「わ~、元気!」という感じで挨拶してもらえたりすると、すごくうれしいです。退所されても私の顔や名前を憶えていてくれているんだなと思って、そういうのもやりがいになります。

—仕事をするうえで大切にしていることはなんですか?

ここではチームで働くので、みんなで助け合ってひとつのチームになって取り組むことが大切だと思っています。ひとりではできないことも、みんなで力を合わせれば大きな成果につながると信じています。

—日本とベトナムの違いで苦労したことはありますか?

文化や言葉の違いはありますが、それ以外にベトナムと日本はそんなに違いはないと思います。あまり大変なことはないです(笑)

—敬和会で働いて良かった点はどんなところですか?

みなさん、やさしいです。外国人と話すとなると、伝わらないことも多くあるのですが、それでもみなさんとても明るくていっぱい話して親切に指導してくれるし、困ったときも助けてくれるので楽しく働けています。

—休日の過ごし方を教えてください。

お母さんに電話して、いつも3~4時間話しています。職員さんや利用者さんとの楽しいやりとりとか仕事の話題が多いです(笑)あと、クルマの免許を取ったので自分のクルマで買い物に行ったり、友達と一緒に海を見に行ったり秋田に遊びに行ったりもしています。買い物は、北上駅の近くにアジアの食材を販売している店があって、ベトナムの食材もたくさんあるので、そこをよく利用します。店員さんとも友達で、この間は一緒に仙台に遊びに行きました(笑)イチゴの牛乳がおすすめですが、ベトナムの牛乳は甘いので飲み過ぎると太っちゃうのが悩みです(笑)あとはドリアンやマンゴーもおいしいし、お魚や豚肉も日本のスーパーでは買えない種類のものも売っているので、よく利用しています。

—北上市の好きなところを教えてください。

北上市は自然が豊かで四季折々の景色がとても美しいところが好きです。とくに展勝地の桜並木がきれいで、春になるのが毎年楽しみです。

—今後の目標を教えてください。

日本語の勉強をしてもっと上手になりたいですし、もっと介護の経験を幅広く積むために介護の研修や講座にも参加していきたいです。

上司の

         さとう あけみ

佐藤 明美介護主任にも
お話聞きました!

—ニュンさんの仕事に対する姿勢、取り組み方はいかがですか?

とにかく明るいです(笑)そのうえで何事も前向きに取り組んでいて、例えばコロナ禍のときにどうしても人員が少なくて、「この人数で業務を回せるのか」と不安に感じる状況でも、それを最初からネガティブに捉えず、「まずやってみよう」という姿勢で明るく前向きに取り組んでいました。それに努力家で、休憩時間も教科書を開いて勉強しているところもよく見かけます。

—ニュンさんの強みはどこですか?

いつも明るくて努力家であることはもちろんですが、自分だけでなく他の外国人留学生の面倒も見てあげている点がすごいと思っています。ニュンさんは外国人留学生のなかで唯一クルマの免許を持っているのですが、それも自分から「クルマの免許を取りたい」と言って、教習所にもひとりで通って免許を取りました。今では自分のクルマを購入して、休みの日は他の外国人留学生も乗せて買い物に行ったり、海を見に遠出をしたりもしています。そういうところもすごいと思います。

—外国人の方と一緒に働くなかで、文化や言葉の違いなど苦労された点はありますか?

例えば利用者さんの食事を準備するときに、食べやすくするために「とろみ」をつけたりするのですが、そのとき「あんかけですよ」と言ったら伝わらなくて、というようなことはよくあります。ただ、そういうときも実際につくってみせたり、YouTubeでつくり方を見せてあげたりするとニュンさんも理解してくれるので、そんなに苦労に感じることではないですね。きちんとコミュニケーションできていれば問題ないと思っています。

—外国人の方が働くうえで配慮されている点はありますか?

言葉の部分でニュアンスのところが伝わりにくかったり、利用者さんと接するうえでニュンさんも方言がわからなかったり、ご高齢の方だと活舌も悪くなって聞き取りづらくなったりする場合がありますが、そういうときは私たちがサポートしています。また、介護記録をつけるのも業務のひとつですが、文章の接続詞の使い方を確認してあげるということはありますが、それ以外は特別な配慮など必要ないくらい私たちと同じように働かれています。

—佐藤さんは勤続29年とのことですが、外国人の方と働かれてみて感想は?

学ぶことが多いですね。とくにニュンさんは、いつも明るくて何事も前向きに捉えて取り組んでいて、向上心もすごくあるので私自身も刺激を受けていますし、異国の地に来てよくがんばっているなと思います。

  • #子育てと仕事の両立
  • #育休明けの不安
  • #ママの仕事復帰
  • #職場のサポート

       きくち  はるか

菊池 晴香さん(39)

勤続9年目/看護職/
子ども2人(3歳、7歳)

—看護師になろうと思ったきっかけを教えてください。

晴香さん)小学校に入学する前に入院した経験があるんです。今でもよく覚えているのが、私が点滴するのを嫌がって大暴れしてベッドから落ちたとき、看護師さんが4~5人集まってきて、大暴れしている私をみんなでベッドに戻してくれて、なんとか点滴ができたという思い出です(笑) それもあってか、小さい頃から人のお世話をすることが好きで、高校生になって看護師になりたいと思うようになりました。

香子さん)私は生まれたとき食道が細かったみたいで、ミルクを飲んでもすぐ吐き戻していたそうです。それで盛岡の病院に入院したのですが、母は仕事が辞められなかったので祖母が付き添ってくれました。当時はテレビ電話もなかったので、私の様子を知るには電話をして看護師さんに聞くしかなかったそうですが、そのときに対応してくださった看護師さんには精神的にもすごく支えられたと母が言っていました。その話を聞いて、私も患者さんはもちろん患者さんのご家族も、身体だけでなく心のケアもできるような看護師になれたらと思ったのがきっかけです。

    さいとう こうこ

   齋藤 香子さん(41)

勤続4年目/看護職/
子ども2人(7歳、12歳)

—敬和会で働こうと思ったきっかけは何ですか?

晴香さん)私はもともと一関市の病院で働いていて、結婚を機に北上市に移住することになりました。病院の仕事は充実していたのですが、忙しくて時間に追われるような毎日だったので、次の職場はもう少しじっくりひとりひとりの患者さんと向き合えるような働き方をしたいと思ったときに、ここを紹介していただきました。

香子さん)私は面接のときに職場を見学して、子育て中のママさんが多かった点と、子育て中のママさんも働きやすいようにフォロー体制が整っていて働きやすい職場だと思ったからです。

—仕事のやりがいはなんですか?

晴香さん)ここは病院を退院されたけど直接自宅に戻るのは難しいという方がリハビリをされて元気になって自宅に戻るための施設ですので、入所された方が元気になって自宅に戻られる姿を見るとうれしいです。とはいえ、ご高齢の方も多いので、なかなか順調にリハビリが進まなかったり、寝たきりの方もいらっしゃったりします。そうしたなかでも私たち看護師はもちろん介護士さんやリハビリ専門のスタッフさんなど多職種の方が連携してケアをして、寝たきりでも具合が悪くなる前の体調に戻れたりするとうれしいですし、やっぱりそれがやりがいです。

香子さん)ここに入所された当初は寝たきりで、気持ちも暗くて落ち込んでいたりする方もいらっしゃるのですが、身体が回復してきてリハビリも進んで自分でできることが増えてくると、気持ちも少し前向きになるというか……、この仕事はそういった変化を間近で見られるので、そこがやりがいになっています。

—お2人は仕事と子育てを両立されていますが、子育てしながら働くという点で現在の環境はいかがですか?

晴香さん)仕事をするうえで、まず私がどういうスタイルだと一番働きやすいかという要望を聞いたうえで働き方を調整していただけるので、とても働きやすいです。それに私は育休も利用しましたが、育休が明ける頃になると不安でした。仕事を離れて一年間しっかりお休みをいただいたので、基礎的なスキルが落ちているんじゃないかとか、育休前のようには動けないんじゃないかという不安です。実際に育休が明けて働き出しても、自分の理想とする動き方ができなかったり、ミスがあったりするとさらに不安になって、今までだったら自分で判断してきちんとできていたことも間違っていないか心配で、小さなことでも先輩に相談したりしていました。そういう不安がありながらも働き続けられているのは、やっぱり理解のある方が周りにたくさんいて、相談できる環境があるからで、すごく支えられていると感じています。

香子さん)私も働きやすい環境だと思います。例えば、学童に通っている子どもがいる人は、学童の時間に合わせてシフトを組んでくださったり、土日に行事が多いと子どもを預ける場所がないということもあるのですが、そういった点も考慮してくださったり……。子育てのやり方や子どもとの関わり方も、子どもの成長に合わせて変わってくるので、そういう部分でも柔軟に対応していただけるのは有難いですね。あとは子育てしながら働いている仲間が多いので、子育ての相談をしたり、愚痴を言い合ったりできるのも助かっています。

—働くママさんとして、今後の目標は?

晴香さん)今いる環境で、自分に与えられた役割というか仕事があるので、それを着実に、ひとつひとつ丁寧に行っていければと思っています。

香子さん)私は家族や周りの理解もあって、主婦をしながら看護学校に通って5年前に資格を取ることができました。ですから看護職の現場で働くのもここが初めてで、日々学ぶことが多くて、一生勉強だと思っています。ただ、新しいことを覚えるのは楽しいので、楽しみながら成長していきたいです。

—最後にお互いの強みはどんなところだと思いますか?

晴香さん)この職場は看護師だけでなく、多職種の方が働いていて、その連携も大切です。そういう環境のなかで、香子さんはコミュニケーション能力が高くて、キャラクターも親しみやすいので、利用者さんだけでなく、いろいろな職種の方と上手に情報共有されていると感じています。そこは自分にないところで、勉強になります。

香子さん)晴香さんは看護師としての経験が豊富なので、教科書では学べないような、例えば状況に応じた臨機応変な対応の仕方など、いつも学ばせていただいています。

▲内服薬に間違いがないようにチェックするのも看護師さんの大切な仕事。いつも2人で行い、Wチェックしているそう。

上司の

      さいとう ゆみ

斉藤 裕美看護主任にも
お話聞きました!

—晴香さんと香子さんの仕事に対する姿勢や取り組み方はいかがですか。

晴香さんは仕事に入る前にその日の業務内容を把握したうえで、業務時間内にその日の業務を終わらせられるように優先順位をつけて行動していて、頼もしい存在です。香子さんは5年前に准看護師の資格を取得して、すぐにこちらに入職されたということで、実務経験もないなかで注射など医療行為の部分もマンツーマンでイチから教えながら一緒に働いてきました。もちろん今は独り立ちできていて、でもそれは本人の努力の賜物で、なんでも真剣に取り組む姿勢が素晴らしいと思っています。

—お2人の強みはどんなところですか?

晴香さんは病院での看護経験もあるということで、利用者さんの状態・変化にも素早く気づくことができて、判断も的確ですし、それが早期治療につながっている部分もあると思います。香子さんはどんな仕事でも前向きに取り組んでいて、未経験のことでも先輩に教えられながら、自分でもひとつひとつ確認しながらそれを習得しようと努力していて、それが香子さんの強みだと思っています。

—現在、子育てしながら働いている方はどのくらいいらっしゃいますか?

看護師は12人在籍していますが、そのうち5人が子育てしながら働いています。

—裕美さんも子育て中とのことですが

上は成人していますが、下に小学生が2人います。私も子育て中なので、子育てしながら働いている人の気持ちはわかります。子育てしながら働くのは大変ですが、みんなで助け合いながら働きたいと思って日々の業務にも取り組んでいます。

—子育て中の方に配慮している点はありますか?

子育てしながら仕事をしていると、子どもが熱を出したりして突発的な出来事が起きて、どうしても休まざるをえないということが出てきます。そういうときは業務をみんなで負担するようなカタチで柔軟に対応できるようにしています。また、一般的には入社してから6ヵ月は年次有給休暇が付与されませんが、敬和会では小さな子どものいるスタッフには入社したその日から急に子どもが熱を出しても休める有給休暇の制度があります。育児休業についても、一般的には子どもが1歳の誕生日を迎える前日までとされていますが、生まれた子どもの最初の誕生日を盛大に祝ってあげてほしいということで、1歳の誕生日の日も特別休暇として休めるように配慮しています。

—お2人の今後期待することは?

これは2人だけでなく全看護師に言えることですが、コロナ禍でひとりひとりの業務負担も増えて、研修などに参加したくても参加できない時期もありました。でも、現在はそれも乗り越えて、外部研修などにも参加できるようになっているので、そういった外部の研修なども活用して、ひとりひとりがキャリアップを図れるように応援してあげたいなと思っています。

*最後までお読みいただきありがとうございました。

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