vol.15 社会福祉法人博愛会 八天の里デイサービスセンター

1993年の設立以来、地域に根ざした“心温まるケア”をモットーに利用者とそのご家族が安心できる福祉サービスを提供する「博愛会」。「八天の里デイサービスセンター」では、北上市の更木・黒岩・二子地区を中心に介護サービスを提供し、地域に暮らす高齢者のイキイキとした暮らしを支えています。
http://hakuaikai-kitakami.or.jp/
所在地:[本部]岩手県北上市立花10地割38番地
「ふつう」に働けることが、いちばんの配慮
— いっしょに働くことが自然な職場のかたち —
- #介護施設のマッサージの仕事
- #視覚障がい
- #機能訓練指導員
- #お互い様の精神
ささき せいや
佐々木 星矢さん(37)
勤続7年/視覚障がい/
マッサージ師・機能訓練指導員

—「八天の里デイサービスセンター」で働きたいと思った理由は何ですか?
以前は在宅訪問のマッサージの仕事をしていたのですが、母が介護施設でマッサージの仕事をしていて、私も働いてみたいと思うようになりました。そんなとき、こちらからマッサージ師の求人が出ていたので応募しました。
母も視覚障がい者なのですが、「介護施設はいつもたくさん人がいて、にぎやかで楽しい」という話をしていて、実際その通りだと思いました(笑) それに在宅訪問だと個人宅を回るのですが、個人宅は家の造りが一軒一軒違います。もちろん訪問の際は誘導してもらうのですが、それでも初めての家だと常に緊張があって、段差につまずいたり、どこにモノがあるかわからなくてモノにぶつかったりすることもありました。その点、こちらだと働く場所は同じですし、そういう緊張もなくて働きやすいです。
—1日にどれくらいの方を施術されるのですか?
在宅訪問のときは移動もあるので、1日8人くらいでした。今は20人前後の方をマッサージしています。コツがあるので、大変だと感じたことはないです。それに、マッサージにチカラは必要ないんです。それよりも、しゃべることが好きなので、いろいろな方とお話できるのが楽しいです(笑)
—仕事のやりがいはどんなところですか?

利用者さんからマッサージをした後に「すごく気持ちよかった」とか「ラクになった」とか「ありがとう」と言われると、マッサージ師をしていてよかったと思います。
—仕事するうえで大切にしていることを教えてください。
やっぱり接客業なので、笑顔を絶やさず愛想よく利用者さんと接するようにしています。
—今も笑顔ですし、緊張もされてないですよね?
そんなことはないです(笑)すごく緊張しています(笑)
—職場でのサポート体制や、周囲の理解について感じていることはありますか?
私の障がいに対しても理解していただいていて、すごく忙しいなかでもお願いすれば誘導してもらえますし、働きやすい職場だと思います。
—具体的にどういう部分をサポートしてもらっていますか?
「誘導」ですね。それ以外はほとんどひとりで大丈夫です。

—「八天の里」で働いていてよかった点は?
みなさんすごく明るくて、周りもにぎやかですし、毎日楽しく仕事をさせていただいています。それにお昼はこちらで食べるのですが、栄養のバランスもしっかり考えられた温かい食事を毎日食べられるのは有難いです。在宅訪問のときは、外を回るのでどうしても冷たい弁当になるので(笑)
—今後の目標を教えてください。
マッサージ師として、すべての方に「ラクになった」と言われるようなマッサージ師になりたいです。もちろん今でも利用者さんから「ラクになった」「ありがとう」と言っていただいていますが、やっぱり一人ひとり体格も体調も痛みや張りなどの症状も違うので、もっともっと一人ひとりに合わせたマッサージができるようになりたいと思っています。私の両親も視覚障がい者でマッサージ師をしていて、私がマッサージの専門学校に通っているときも、学校で学んだことを両親にやって見せていたんですが、「そんなんじゃない」と言われて(笑)

押し方、揉み方、チカラ加減など細かくガッツリ指導されたのですが、いまだに言われます(笑)特に母からは「マッサージ師の仕事は死ぬまで修行だ」と言われていて、でもこの仕事を長くしていると本当に「そうだな」と思うので、もっともっとマッサージ師の腕を磨いていきたいですね。
さとう もとこ
佐藤 素子所長にも一緒に
お話聞きました!

—佐々木さんの仕事に対する姿勢、取り組み方はいかがですか?
佐々木さんは朗らかで明るい性格で、利用者さんのお話にいつも丁寧に耳を傾けながらマッサージや機能訓練をされています。楽しそうな笑い声も聞こえてくるので、利用者さんもリラックスしながらマッサージや機能訓練を受けているのが伝わってきて微笑ましいです(笑)それに、一人ひとりの体の動きや痛みなどの症状に合わせたマッサージや機能訓練をされていて、利用者さんのちょっとした変化にも気づいて私たちに教えてくれるので、他の職員とも情報共有して利用者さんの体調管理に役立てています。佐々木さんの声って施設内がにぎやかでもよく通るんですよ。ですから、耳が聞こえにくい利用者さんも佐々木さんの声は聞き取りやすいみたいで、すごくスムーズに会話ができているなといつも感心しています。それに記憶力もすごくて、利用者さん一人ひとりの体の状態や変化をよく覚えていて、「ここが痛いって言っているよ」と伝えると、「あれ、この前はここだったけど」という感じですぐ利用者さんの情報が出てくるのはすごいなと思っていました。そういう感じなので、利用者さんも安心して佐々木さんにマッサージや機能訓練を任せているのだと思います。佐々木さんが休みだと、「あれ、今日はマッサージの先生休みなの?」とみなさんよく聞いてきますよ(笑)
—現在、博愛会では障がいを持ちながら働かれている方は何名いますか?
「八天の里デイサービスセンター」には、佐々木さんの他に心臓疾患の方が1人いらっしゃいます。その他の施設にも、心臓疾患の方が2人働いていらっしゃいます。その方に合った仕事をしていただいて、あとは重いものを持たないとか、走らないように気をつけるくらいですね。それ以外は他のスタッフと同じように仕事をされています。
—障がいのある方と共に働くうえで、御社が大切にされていることはありますか?
スタッフもみんなそうだと思うのですが、「障がい者」という認識ではなく、マッサージ師さんという職種の方が「たまたま目が見えなかった」という感覚でいるので、

「障がい者の方だから特別に何かをする」ということはありません。一緒に働く仲間として、困っていることがあったらお互い助け合いますし、佐々木さんで言えば目が見えないなら「誘導のお手伝いをする」という感じです。私自身も1歳4ヵ月と7歳と9歳の子どもがいて子育てしながら働いていますが、大変ながらも仕事と子育ての両立ができているのは、職場の理解とサポートのお陰です。みなさんそれぞれ悩みや問題を抱えながら働いていると思うので、「お互い様の精神」が大事なのかなと思います。
*最後までお読みいただきありがとうございました。
