なりわい事例集

vol.4 株式会社キタカミデリカ(現 デリア食品株式会社東北事業部)

キユーピーグループの一員として2003年に設立。以来、安全・安心でおいしいサラダや総菜などを東北6県のスーパーやコンビニなどに毎日届けています。
https://kitakamidelica.deria-foods.co.jp/
所在地:岩手県北上市相去町大松沢1−89

「見る」力で学び、自分なりに工夫する 

― 配慮してくれる、でも、特別扱いはしない職場環境 ―

  • #働く前の不安
  • #入社前の職場体験
  • #聴覚障がい
  • #特別扱いしない
  • #本人の希望に沿った勤務時間
  • #筆談やジェスチャー
  • #一人ひとり違う障がい
  • #必要なときは補助する
  • #自然に目配り配慮できる職場環境

       たかむら   かな

高村 佳奈さん(26)

勤続4年/盛付作業/ 聴覚障がい

株式会社キタカミデリカで働きたいと思った理由は何ですか。

以前は就労支援施設でパン作りをしていて、株式会社キタカミデリカの仕事に興味を持ちました。入社前に職場体験をしたのですが、上司や先輩が作業のやり方を丁寧に教えてくださったり、わからないことも丁寧にいろいろ教えてくださったりしたのでここで働いてみたいと思いました。

今は、いろいろなお惣菜やサラダの盛付を担当していて、盛付作業の最後に商品内容がきちんと盛り付けられているかを確認してからフタをする「フタ閉め」の担当もしています。

1日の仕事の流れを教えてください。

朝のミーティングをしてから、グループにわかれて作業を行います。ときには途中から他のグループに入って手伝うこともあります。勤務時間や勤務日数は私の希望に合わせて調整していただいていて、勤務時間は朝8:30~16:00まで、勤務日数は1ヵ月で20~21日くらいです。

仕事をするうえで大切にしていることはなんですか?

「落ち着いて行動すること」「食品に髪が入らないように注意しながら作業すること」「助け合い」「コミュニケーション」を大切にしています。

聴覚に障がいをお持ちとのことですが、働くとき不安はありませんでしたか?

働く前はすごく不安でした。仕事中はマスクをつけているので口の動きがわからず、先輩や上司の指示やアドバイスをうまく理解できるか不安でしたし、私からコミュニケーションを取る場合も私の声やジェスチャーできちんと伝えられるか不安でした。

その不安をどのように乗り越えられましたか?

入社したときから先輩や上司が私に合わせて筆談してくださったり、話すときもジェスチャーを交えて声を大きくゆっくり話してくださったりするので、すごく助かっています。会社のみなさんが、私が働きやすいように一生懸命に伝え方の方法を考えてくださったお陰で私は今まで仕事ができていると思います。

株式会社キタカミデリカで働いていて良かった点はどんなところですか?

良い上司や先輩、仲間に囲まれて仕事ができることです。

今後の目標を教えてください。

仲間と協力し合いながら、これからも安全・安心の商品をお客さまにお届けしたいです。

上司の

         おおほら のぶき

大洞 信幾さんにも
お話聞きました!

高村さんは聴覚障がいをお持ちとのことですが、コミュニケーションのやり方など一緒に働くうえで配慮されている点を教えてください。

最初の頃は現場でも小さいボードなどを使って筆談もしていましたが、いざというときに手元になかったり、本人も積極的にジェスチャーでコミュニケーションを取ってきてくれたりするので、現在は基本的にジェスチャーでのコミュニケーションが中心です。

また、どうしてもわからないことは声に出して質問してくれる場合もあって、高村さんの声は母音が聞き取りやすいのでそれとジェスチャーを交えながら会話していて、一緒に働く他の方たちともそれで問題なくコミュニケーションが取れていると感じています。

その他に配慮としては、高村さんの後ろにモノがあったり、人が立っていたりしても気づかないので、高村さんの近くを通ったり近くのモノを動かすときはなるべく距離を取るようにして驚かせないようにしています。また、高村さんに伝えたいことがあるときは後ろからだと気づかなかったり驚かせてしまったりするので、必ず高村さんの視野に入ってからコミュニケーションを取るように意識しています。

▲高村さんを驚かせないように高村さんの前に立ち、ジェスチャーでコミュニケーションするスタッフ

高村さんの仕事に対する姿勢、取り組み方はいかがですか?

とても真面目に仕事に取り組まれています。入職して間もない頃はコミュニケーションもなかなかうまくいかず、作業自体も簡単なトッピングを担当するのが精一杯な感じでした。でも、耳が聞こえない分、「目」で周りの作業をよく見て勉強している様子が伝わってきました。例えば、高村さんがよく作業を担当するラインでは、片手ずつ違う原料をトッピング(右手でネギ、左手でたまごそぼろ)する商品があり、最初はラインスピードについていけませんでした。でも、他の方がやっている作業を見て勉強したり、自分がトッピングしやすいように作業台の位置を調整したりして工夫をして、今では他の方と同じようにトッピングできています。

また、原料のトッピングが終わると最後に「フタ閉め」という作業があります。これは流れてくる商品が正しく盛り付けられているかをしっかり確認してからフタをするため、簡単なようでいて意外と難しいポジションで、経験と信頼がないとできません。この作業も高村さんは「見る」力を活かして出来るようになっており、素晴らしいと感じています。

高村さんの強み=良さはどんなところですか?

「目」で見て一生懸命覚えようとするところはもちろんですが、コミュニケーションを積極的に取るところも素晴らしいと思います。普段は工場内ではマスクをしていて口の動きもわからないのでコミュニケーションに困るかと思っていました。でも、高村さんはわからないことは積極的に聞きに来ますし、他の方ともジェスチャーなどで積極的にコミュニケーションを取っています。

高村さんは勤続4年で仕事も前向きに取り組まれているとのこと。障がい者の方の定着率を高めるために株式会社キタカミデリカではどんな取り組みをされていますか?

障がいは一人ひとり違うので、本人の要望に沿った働き方ができるように就労時間なども調整し、無理なく働き続けられるように配慮しています。

現在株式会社キタカミデリカでは障がい者の方は何名働かれていますか?

8名(知的障がい者4名、精神障がい者3名、身体障がい者1名)です。一人ひとりの適性に合わせて、盛付作業、蒸し芋の皮取り、野菜の芯とりなどの作業を担当していただいています。

障がい者の方と一緒に働くことで、他の社員・スタッフの変化などはありましたか?

障がい者への配慮や目配りが自然とできるようになっていると思います。1年半ほど前も新しい方が入職されたのですが、その方が障がいをお持ちだということを入職された後に知るということがありました。でも、それで現場が混乱することもなく、その方は現在も元気に働かれています。

障がい者の方を雇用する際、社内理解を深めることに苦労されている企業も多いとのこと。株式会社キタカミデリカではどのように取り組まれていますか?

正式な入職の前に職場実習の機会を設け、一緒に働くことで社内のメンバーに障がい者のことを理解してもらうようにしています。

障がいがある方と一緒に働くうえで大切にしていることは?

「特別扱いしない」「よく観察し、必要に応じた補助を行う」ことです。基本的には、ひとりでがんばれそうなところは手を出さず、本人にがんばってもらっています。高村さんも聴覚に障がいがあるため周りの音が聞こえず、接触・転倒によるケガなどにつながる心配があるのでそこに関しては気を配りますが、仕事中はそれ以外で特別扱いすることはありません。

高村さん本人もとても努力をされているので、私も他の方と同様に接していますし、他の方と同様に仕事をがんばっていただいています。

★高村さんと作業をする大洞さん

*最後までお読みいただきありがとうございました。

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